メッセージ・アーカイブ

創造者の威光に打ちのめされている人こそが、周囲の人々の愚かさに影響されずに、御言葉に身を寄せて憩うことができます。その人は、置かれている状況と関係なく、魂の渇望に満足を覚えつつ、与えられた使命（目的）に献身します。御言葉によって自足せぬまま、渇望を目的化して生きると、私たちは御心から逸脱します。

神様は私たちを実子として愛し、名実共に「王のような祭司」に相応しい姿まで育てあげることを、堅く決心しておられます。それゆえに“懲らしめ”（discipline）が私たちから離れないのですが、その本質は、私たちが問題の中で人間的な恐れを手放し、主だけを避けどころとすることを学ぶことにあります。

自分の罪（的外れ）を交わりの中で言い表して、それを捨てる時に、私たちは自分が義とされている恵みを豊かに纏い、大胆に喜び勇むことができます。私たちは周囲の誰かを自分の気にいるように変えることはできませんが、神の子としての大胆さを輝かすことは、どんな状況でも可能であり、世は私たちがその本領を発揮するのを待望しています。

イサクを生贄として捧げよという御言葉に対して、アブラハムがあのような従順を示せたのは、彼の信仰の偉大さというより、彼の内に神の子としての聖なる種を宿らせ、無限の忍耐と愛をもってそれを守り育てた、神様の御手の勝利でした。身に降りかかる問題を、我が内なる神の子の本領を試す“試験”だと考えて対処するなら、私たちもアブラハムのように、その勝利に与れるのです。

私たちが主の姿に変えられていく過程で、本当に大切にしなければならないのは 「友」だと言われます。下心なく忠告を与えてくれたり、弱さを分かち合ったりしてくれる友との関係は、時に痛みを伴いますが、それなくして、私たちは主を知ることはできません。捨ててしまいたくなる誰かについても、あなたは友として踏みとどまりなさいと、箴言は語ります。

箴言が言う 「愚か者」とは、神様から断絶されて、所謂 「境界線」が崩壊している者のことです。そのような人々の言動に苦しめられる時、肉的に“反応”してしまうなら、こちらもその愚かさに巻き込まれることになります。しかし 「知恵」に導かれて健全な境界線を張った対応をするなら、相手に自分を知恵ある者ではないと悟らせてあげる契機になり得ます。

神様に従って歩む者に対して、何故か不当な敵意を向け、和解を願おうとしない人々が実在します。その悪に対して善で応じるのは、自然の性情では無理でも、「王のような祭司」として建てられているという恵みに立つなら可能です。そしてその道を歩む者には、報いが約束されています。

ひと頃は主の恵みで輝いて用いられていた牧師や信徒が、時の経過と共に“変質”することがあります。内面の“石垣（境界線）”が崩れて、世の力に“反応”する歩みをしていると、いつしか自らも闇の勢力に絡め取られて、権威の源なる主の保護から外れてしまうのです。

「罪人らのことに心を燃やさず、主を畏れることに日ごと心を燃やせ」と言われます。私たちは確かに、世で起こる諸々の出来事に“反応させられて”、平安や喜びを失っている瞬間が多いです。しかし、周囲の罪深さや問題の深刻さに影響されない、内面の境界線こそが、天の父が私たちに与えようとしている知恵なのです。

「金銀よりも恩寵を選べ」とは、いかにも陳腐な教えに聞こえるかも知れません。しかし肉を持って生きるこの身は、神様の約束の御言葉よりも、巨額の現金によって思い煩いから解放されるような弱さを持っています。そんな自分の心の中に忍び込もうとする 「不遜な者」を締め出し、 「恩寵」の中に堅く立つところに、勝利はあるのです。