エジプトから流れてきた謎の男を婿として迎え40年間守った男エテロは、娘と孫たちを連れて、出エジプトの偉業を成し遂げたモーセとその共同体を祝福すべく再登場しました。痛んだ葦そのものであったモーセたちは、彼との出会いを通して、大いなる報いと更なる成長へと導かれたように、今日、福音を握って歩む傷だらけの私たちも、聖なる影響力を放つ祭司たちの王国となるべく、召されているのです。

主が愛して福音を伝えて下さったこの地に、甚だしきは教会に、どうして「毒麦」が存在するのか。どうして真実だったあの人がこのような姿になるのか……私たちが傷つき戸惑うことは多々あります。しかし主の御心は、私たちの思いを遥かに超えて高く、毒麦の攻勢の中で私たち自身をかの日まで守ること、私たち自身が毒麦になってしまわぬように聖め続けることにあるのです。

主イエスに対して「私を納得させるしるしを見せて下さい」と、当時のパリサイ人たちのように露骨に言わなくても、私たちが生活の中で何かを呟いているなら、同じ霊的状態にあります。私の罪のために十字架にかかり復活された、主イエスだけで満足であると告白しつつ、信頼をもって御言葉に従うところに、祝福と勝利はあります。

主イエスは、ご自身から癒しを受け取る群衆を動員して、世的な仕方で影響力を行使する道を拒みました。 それは「傷んだ葦」である私たち一人ひとりに、静かに寄り添い、私たちが失いがちな 「安息日」の祝福を回復させるためでした。主イエスの御国は、 所謂“成功者”の上にではなく、「傷んだ葦」の上に臨むからです。

アマレクとは、神様に深く愛されている民を卑怯に傷つける、闇の勢力の象徴です。今日も、私たちがその攻撃に苦しむ時、神様は私たちと共におられ、神の子としての戦い方を教えて下さいます。弱さの中でキリストの身体としてひとつに結ばれて、共にキリストの勝利を証しする戦いへと、私たちは召されているのです。

アナニヤ＆サッピラ事件を通して内面が聖められた主の弟子たちは、更に霊的一致を深め、祝福を輝かせました。その結果、世からは一層苛烈な攻撃が襲いますが、そこには主の超自然的な御手が介入し、どちらが真の勝利者であるか、時間の経過と共にいよいよ鮮明になるのです。

初代教会の聖徒たちは、世から本格的な迫害を受け始めた時、恐れや不安だけでなく、平和な日々は二度と戻ってこないという喪失感も味わったことでしょう。しかしその時、彼らは問題解決のためではなく、問題の只中で“使命に応答する”ための祈りを、心をひとつにして捧げました。そして主は、そんな彼らと共におられたのです。

弟子たちが 「イエスに起きた死者の復活」を語ったことで、世は反キリストの本性を明らかにし、攻撃を始めました。ペテロはそれに対して、以前とは別人の姿で、クリスチャンの本領を発揮します。今日も、弱い私たちが聖霊の恵みに満たされて、「イエスと共にいる」ことを証しする時、御心は美しく実現するのです。

奇跡に引き寄せられて押し寄せてきた民衆に対して、ペテロは 「命への導き手を殺した罪を悔い改めよ」と語ります。私たちの問題は、自分が神の御子を殺した張本人だという事実を、生活の中で軽んじがちであること、その結果、自分の義を証明することに縛られて、自他の祝福を損なう側に加担していることなのです。

御言葉に従ってレフィディムという場所まで進み、飲み水がない現実に直面した時、神様は本当は、民が以前とは違う反応を示すのを願っておられました。しかしそれができずに 「主を試した」彼らに対して、ご自身の真実を更に一段深く教える仕方で、生命の水を与えて下さったのです。